売買契約時に支払います。新築建売は銀行振込みで支払います。
不動産売買の手付金とは?
民法では、手付金を3種類に分類しています。
不動産購入時の手付金は「解約手付(かいやくてつけ)」という種類のものです。
解約手付とは、売買契約時に買主から売主へ支払うもので「売主又は、買主が履行の着手をするまでは、買主は手付を放棄し、売主は手付の倍額を返すことで契約を解除できる」というものです。なんだか分かりにくいですね。
ざっくりと、
売買契約後に「契約をやめる」とき、
買主は手付を放棄(手付流しといいます)して契約をやめることができます。逆に、売主から「契約をやめる」ときは、手付を倍にして返すというものです(手付の2倍返しといいます)
手付金は物件代金の一部になります。
買主が手付を流して契約を解除できる期限の「売主が履行の着手をするまで」とは、売主が「引き渡し、移転の登記手続きに着手」したときです。その後に契約解除する場合は「違約金」を支払うことになりますので注意しましょう。
手付金はいつ、いくら用意する?
手付は売買契約時に売主へが基本ですが、
新築一戸建ては売買契約前に銀行振込み、振込の控えを領収書替わりにします。
中古戸建の取引も銀行振り込みが主流です。以前は売買契約時に現金で支払うことが多かったのですが、令和5年現在振込が主流です。
手付金は、決済引き渡しを迎えると物件価格に充当される金銭で、住宅ローンで借入が出来ます。
但し、ローン申し込み手続き前の為、現金を用意する必要があります。
埼玉の新築建売の手付金は、30万円~50万円程度。中古住宅は100万円が相場です。
手付金を、キャッシングやカードローンで用意すると住宅ローン審査に影響します、手持ちがないときは知人友人親兄弟に借りましょう。(一か月後には住宅ローンで返せます、もしもローンが通らないときは手付金は戻ってきます)
不動産会社が「手付貸します」というのは、宅地建物取引業法で禁止されています。
「親切な業者さんだ!」と、思って借りてはいけません。
ローンが通らないときは、特約(解除)で手付は戻ります
新築建売住宅は、売買契約後に住宅ローンの本審査が通らないときには、手付金が戻る特約(住宅ローン特約)があります。
《住宅ローン特約》とは
売買契約は、ローン事前審査承認後に締結し、買主は売買契約後に住宅ローンの本審査申し込みをします。
事前審査でローンの承認がされ、本審査でローン承認されず借入できない場合。
約束した期日までにローン本審査が承認されない場合は、売買契約は解除になり手付金は戻ります、これをローン特約(ローン解除)といいます。売買契約書に貼った収入印紙は戻りませんが、手付は全額戻ってきます。
但し、「手付流しは嫌だが、買主都合で契約解除したい」為に、ローン本審査を申し込まないことは認められません。
まとめ
①手付金は、解約手付という種類のもの。売買契約後に買主は手付を流し、売主は手付の倍返しで解約できる。但し「履行の着手前」その後は違約金が発生するので注意。
②建売の手付金は売買契約前に銀行振り込み、埼玉の相場は30万円から50万円。
③物件価格の一部の為、住宅ローンで借入できるがローン申し込み前なので現金を用意しておく(キャッシング、カードローンはローン審査に影響するので使わない)
④不動産業者に手付を借りるのは、法律で禁止されている。
⑤ローン解約は手付が戻ってくる(重要事項説明書・売買契約書をチェックしましょう)
《この記事を書いた人》
菅 弘之(すが ひろゆき) 宅地建物取引士・2級FP技能士 埼玉県幸手市で働く現役不動産屋&FPです。実務でよく相談されることを記事にしています。あなたの不動産取引で知りたいこと、困ったことをご相談ください。